怠惰の神とフィクションブック

第6話 芋みたいな顔しやがって!

エピソードの総文字数=939文字

なんだこれマッズイ!
人間の味覚ほんとクソ!
控えめに言って犬のエサっすね。
せめてケチャップとマヨネーズがほしいっす。
この肉じゃがにいたっては全く肉が見当たらんのだが。
巧妙に隠されているのか?
それとも人間にしか見えない肉なのか?
肉が入ってない肉じゃがなんて、化粧落としたV系バンドっす!
こんな屈辱はじめてっす! シェフを呼べっす!
あらあらごめんなさいねえ。
うちの店の肉じゃがはお肉の代わりにお芋を入れてるのよ。
それもうただのじゃがじゃがっす!
いまうちの店には芋しかないのよ。
芋だけならいっぱいあるからいくらでも食べてちょうだい。
おばーちゃん、私もっとお肉的なもの食べたいっす!
ピピルはまさに成長期っす!
あらあら困ったわねえ。
それじゃ肉じゃが大盛りにしておくわね、特別サービスよ。
……………………。
よかったじゃないかピピル。芋食べ放題だ。
芋ばっかりこんなに食えないっす……。
そう言うな、私が頼んだ豚汁にもほとんど具が入っていないのだ。
人類が絶滅の危機に瀕しているというのは嘘ではないようだな。
食に娯楽を求めなくなったら文化としては死に等しい。
物資が不足してるみたいっすね。
街にもなんだか活気がないっす。
私の世界なんだからもっと漫画とかアニメが
街に溢れかえっているべきだと思うのだよ。
3年放置して溢れかえるのはカビかキノコぐらいのもんっすよ。
それと、魔王だな。
まったく厄介な害虫だよ、さっさと駆除してしまおう。
かみさまいつになく本気っす。
そこまで人間に肩入れしなくてもいいんじゃないっすかね。
私とて人間に何かを期待しているわけではない。
ただ絶滅されると神活保護の手続きが面倒くさいのだ。
待つのが嫌いでね、役所にはなるべく行きたくないのだよ。
ピピルも待つのは嫌いな方だろう?
そっすね、カップ麺もだいたい1分ぐらいで開けちゃうっす。
あの濃い味が恋しいっす……もう芋見たくないっす。
ならばピピルが芋を片付けている間に会計を済ませておこう。
なあに、悪漢から巻き上げた金で充分足りるだろうさ。
見たまえ。100モニー金貨が20枚だぞ、じゃらじゃら!
わあい、ピピルお金の音大好きっす。
ずっと聞いていても飽きないっす。
はいはいお会計ね。ふたり合わせて8万モニーだよ。
……………………。
……………………。

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