Web小説家に”なった”! ~ゼロから始めて三週間で小説家になる方法~

オンライン会場パート6

エピソードの総文字数=12,126文字

パート5より引き続き、お話をお願いします。
2017/11/11 16:03

>この戦略における問題点


・WEBの読者が求めるもの。
・書店員さんが売りたがるもの。
・編集さんが売りたがるもの。
・本を買う読者が求めるもの。


 これら4つが、別々とまでは言わないまでも、同じ方向に揃っていないことが問題なわけですね。
 ただし、それぞれ重なっている範囲はあるので、そこをピンポイントで狙うわけです。


 なろうで売れるものの範囲と、書店員さんの好むものの範囲は、一部、重複します。


 WEB読者と、本を買う読者の趣味については、およそ似通っています。ほぼ同一といってよい。なのでこちらは、なんにも心配いりません。
 なろうで高ポイントを取ったものは、そのまま書籍としても売れて、その関連性は、優に8割もあったりします。


 編集さんの趣味については……。まあ、オファーがきてるなら、もうクリアしているはず。


 ちなみに……。
 そんな自己のコントロール外のところを考えて、手が止まってしまうぐらいなら、まず、なろうでポイント取ることだけ考えて、ばしばし書籍化決めてたほうが、ぜんぜんよいかと思いますよ。


 書店員さん攻略方法は、僕の戦うステージが、いまそこにある、という話です。
 1巻に超速即重かけても平台からの撤去が早く、1ヶ月も持たない。2巻が出た時に1巻と並べて両方平置きしてもらえず、1巻の部数が後伸びしない。
 ――というのが、目下のところの、僕の問題なので。



>WEBで読む層と、本を買う層は、完全に別


 ここ、なろうで読んでいた読者がファンとなって本を買ってる、とか分析する人がいますけど、それは大間違い。


 僕は、「完全に別」と考えています。
 極論してしまえば、「WEBを読む人は、絶対に本を買わない」「書籍を買う人は、WEBなんて見ない」――という感じ。


 現実には、多少は重複しているのでしょうけど……。
 重複は「ゼロ」と思って、少数の例外を「誤差」と切り捨てて考えておいたほうが、実際の現実に近い認識となるはず。

2017/11/11 16:16

>>『女の子の肌の露出が多い』……!?


>肌の露出は、少なければ少ないほど売れる


 はい。英雄とCマートは、肌の露出が少ないです。書店員さんに嫌われる自重は、肌の露出が多いです。

 いま、「肌の露出は、少なければ少ないほど売れる」という法則が、ありまして。
 これは、読者の「不足分」と、書店員さんの「趣味」を、現象として上っ面だけ捉えたうえで現れる法則なんですけど。


 いまの時代だと、肌の露出は、少なければ少ないほど、いい。
 でも、なぜそうなるのかという合理的な理由は、また別にあります。
 それは「読者の不足分ってなに?」ということとか、「40歳元文学少女書店員」のプロファイリングとか、そこに行き着く。
 そっちの「原理」のほうから導くと、肌の露出を下げる以外にも、「イケる」方向性は、いくつも見いだせるわけです。


 ちなみに、数年前だと、法則は真逆だったんですよね。
 「肌の露出は高ければ高いほど売れる」なんてのが、法則として通用していた時代もありました。


 これは伝統ラノベ業界の話となりますが……。
 一時期、ラノベ業界は、新シリーズがなにもかも売れなくなった時代がありまして……。
 特にエロコメ、ラブコメの類い。
 一時期の2006~2013年ぐらいのラノベ業界では、肌の露出が高ければ高いほど、確かに売れてたんです。
 んで、時代が変わって、読者の「不足分」も変わったのに、「肌の露出が高ければ売れる」の法則は生き続けていると盲信されていて……。


 通る企画はあいかわらずエロ路線。
 エロじゃない話でも、内容無視のパッケージ詐欺の勢いで、肌の露出ばかりあげた表紙で、新シリーズが戦地に送られ――。
 死体の山を築きあげる。


 ……なんていうことになってました。




>読者の高齢化


 ちなみに、「時代が変わって」「読者の不足分が変わった」の、根幹となる理由は、「ラノベ読者の高齢化」です。


 ラノベ読者の平均年齢って、毎年、1歳ずつ上がっていっているんですよ。
 いま現在だと、35.8歳くらいかな。
 ちなみに同じ読者が、2006年には、24歳でした。
 その頃に性欲に訴える表紙はキャッチーでも、35歳にもなれば性欲減退してオナニー回数も減少しますし(普通は)(除く架神恭介)。
 これまで、無理にウリウリと性欲まみれの表紙を押しつけられてきた結果、拒絶反応も出て、一時期は、相当な勢いで肌色ラノベにノーサンキューが突きつけられていたのですね。

2017/11/11 16:29
>肌色ラノベにノーサンキュー
なるほど……!
女性店員、高齢化する男性読者、それらの要因が重なり合ってエロは売れにくい……!
となっているんですね。
そこでその共通解として肌色は敬遠されると。
もちろん全部が全部というわけではないのでしょうけれど。

ただ新木先生もおっしゃっている通り、パッケージは売り出したい出版社側が決めるのでなかなかコントロールは難しい物かと思われます。
新人はとにかくまずたくさん出して実績を作るのが重要なんでしょうね。
実績が無ければまず営業さんも売り出そうとはしないでしょうし。

>除く架神恭介
架神さんはいつまでも新婚のように惚気けてますからね!
幸せそうで何よりではあります。
2017/11/11 16:35

>kuronaさん
>>「Web小説への転向」という活動のターニングポイントは、どのようなお考えでそういうことになったのかを新木先生におうかがいしてみたいです。


 僕がなろうで初連載をする、半年前ぐらい……。2014年の末ぐらいだったかなぁ。
 その当時の僕は、なろうの存在さえ知らず、WEB小説なんて、プロになれない腕前の人間がお遊戯している場所ぐらいに、知りもしないで見下してました。


 作家の三木なずなさんに、「君ぃ、WEB小説とか、あんな程度の低いところで、なにやってんの?」と、馴れ馴れしく肩を抱いて、絡みにいってました。
 彼とは出版社主催のパーティで出会って、一年前から顔見知りでした。


 そしたら、連載して3週間で書籍化決まりましたー、とか、話が聞こえてくるじゃないですか。
 これはもう、企画書なんか書いて出してる場合じゃないな、と。


 さらにちょうどその頃、メインでやってた編集部と物凄い大ゲンカをしまして。
 そっちの原稿に手を出そうとすると、ゲロ吐くほどの心理ダメージだったんで、これはこのままだと潰れて廃人だな、と思いまして。
 そっちの原稿は一切うっちゃらかして、完全逃亡することに決め、そのかわりに、なろうで連載する原稿だけに埋没してました。
 それが「異世界Cマート繁盛記」でして。


 なにしろ、なろうにお邪魔させてもらう第一作目なので、変わったことはなにひとつせず、なろうの王道(と、当時の薄っぺらい分析で思ったもの)と、作法を守るべく、それだけ専念して書いていたら、うまいこと、3万ポイントぐらいまで一挙に伸びてくれました。


 ほとんど逃避行動でやっていたので、別にポイントとか書籍化とか、どうでもよかったんですけどね。
 ただ、潰れないでいるために、毎日、なにか書いて、人目にさらして発表する小説が必要だったというだけで。


 また達成目標に関しても、ずっと低く見繕っていました。
 4作品も連載して、1作品が書籍化ポイント取れたら御の字、ぐらいに思っていました。
 なので、最初の1回でアタリが出てラッキー、って感じでした。
 どのみち、1回目でだめなら、5~6万文字あたりで見切りをつけ、4連載目までは続けて取り組む気でしたし。
 4回目が終わってから、それでもダメなら、どこがダメだったのか、その時点で考えよう――ぐらいの気持ちでした。


 ちなみに、「物凄い大ゲンカをやらかした」日と、なろうで連載をはじめた日は、ほんの1日だけ、連載のほうが早かったのです。
 連載を始めたその翌日に、晴天の霹靂で大ゲンカをするはめになって、ぜんぶうっちゃって逃亡することを決めたとき、なんか、天の啓示でもあった気分ですね。
 『おまえはWEBで連載しろ』って、状況を固められた感じ。


 正確にいうと、はじめたきっかけは、大ゲンカとは関係ありません。
 喧嘩する以前から、連載は決めていて、実際に1日だけ早く連載をスタートしていましたし。
 その後、片手間ではなく、全リソースを注ぎこんでの全力投球となった理由は、大ゲンカではありますが……。


 当時、企画書を出して本を書くというプロセスに、飽き飽きしていたということがあります。
 僕がやりたいのは、小説を書くことで、企画書を何通も書くことじゃないんですね。


 企画書を出して、一個人の趣味でジャッジを受ける。その仕組みの理不尽さにも、発狂寸前でした。


 ラノベに対して見識が高いともいえない一個人の、おそらく主観の「趣味」であるとか、あるいは客観的判断であっても「いま売れてる作品との類似性」みたいなことで、作品の生死を決められてしまうわけです。
 また企画書を通すためと、通ってからの、煩雑な執筆以外の作業の諸々――。僕はこれを「編集さんに安心感を与える作業」と呼んでいますけど。


 僕は「読者」に対して小説を書きたいわけです。実際に読む人にジャッジしてもらいたいわけです。
 しかるに、WEB小説であれば、ジャッジするのは、消費者、そのものです。
 人気が出なくても、ブクマ0で殺されても、すべて納得がゆきます。


 ――という気持ちが高じて破裂寸前になっていたところに、三木君が、「3週間で書籍化決まりました~♪ てへぺろ♪」とか、やりやがるので――!!
 「てめえこのやろう! 誰を差し置いてやってやがんだ! 俺が何年我慢してたと思ってる25年だぞ!」とかいう感じで、WEB小説界に飛びこむことが決まりました。


 その時点までに、なろうの累計ランカーの人、数人と交流を持っていましたので、なろうでランキングを上がるためのノウハウについては、だいぶ教わって、ショートカットできているかと思いますが。それのおかげで、1作品目で書籍化できたのだと思いますが……。
 まあ、仮に独力でやっていたとしても、数作品~十作品ぐらい、自分でやってみて、死体の山を築き上げれば、遅かれ早かれ同じ水準に達していたはず。
 どのみち、腹は括っていたんで、おなじことですね。


 その僕が「ショートカット」したノウハウについては、こちらの2冊にまとめてあります。


「WEB作家でプロになる!: ①書籍化の方程式 (トークメーカー新書)」
「WEB作家でプロになる!: ②パッケで9割の法則 (トークメーカー新書)」


 ショートカットしたい人は、これ読んで、数シリーズ分の試行錯誤を省力化してください。
 僕はべつに自力攻略するのが趣味なわけではないので、ショートカットしましたが。自力攻略が好きな人は、攻略本なしで攻略するのも醍醐味があるかと思います。


 ノウハウ公開しているのは、皆も「小説が書きたい」のであって、自力攻略したいわけではないだろう、と思うからです。



>WEB小説に飛びこんだ気持ち


 脱線したので、話を戻します。
 なぜ、飛びこんだのか?


 はじまりこそ、WEB小説を見下していましたが――。
 その後、なろうで書いている上位ランカーの人たち知り合って、話を聞き、掲載されている作品を実際に読んでみたあとでは、あちらが「大リーク」だという認識に、完全に切り替わっていました。


 作品の質、量、速度、どれひとつとっても、ラノベ業界より、向こうのが上です。
 特に速度なんて10倍も違います。まさしく桁違い。2年そこそこで250万文字もの超大作が連載されてるわけですよ。文庫にしたら20冊分ですよ。ラノベ業界で速筆とかいわれる人が、20冊積み上げるのに、いったい何年かけてますか。


 書いている人間の人数の分母が違うから、トップの水準が高くなるのも、あたりまえなんですよね。


 日本のプロ野球界でぶいぶい言わせている程度で満足していていいのか? 大リーグで俺の力は通用するのか?
 ――みたいな感じで、いつ踏み出すのかの、タイミング待ちの段階でした。



>踏み出せない人


 僕自身が、なろうで書いていることもあって、ラノベ業界の会う人会う人に、「企画書なんて出してる場合じゃないよ」「三週間で書籍化決定だよ」「残機無限だよ」「執筆量が3倍になるよ」――と、甘い言葉で勧誘を続けているんですが。


 なかなか踏みこむ人はいないですね。
 書く気はあるし、構想も練っているけど、でも実際には連載に踏み切らない。


 なぜ踏みこめないのか?


 思うに、目標設定が高すぎるんですね。
 なろうに進出して、はじめての連載で、書籍化を勝ち取ろうとしているわけです。
 なので、「万全の態勢」を整えてからやろうとして、結果、いつまでも踏み出せずにいる。


 これ、伝統ラノベ界だと、正しい防衛反応かもしれなくて。
 ラノベ業界だと、残機は1か2しかないんです。


 シリーズをスタートして、売れなかったら、1回か2回で、殺されます。
 そのレーベルでは、仕事がもらえません。実際にはクビを言い渡されるわけではなく、企画書も受け取ってもらえますし、打ち合わせも重ねてもらえます。
 ――が、企画は通りません。


 残機数有限の世界が、ラノベ業界。


 そこでの生存本能が邪魔をして、WEB小説でも、1回で成功させようとしちゃうんですね。


 だーら、残機無限だって、言ってるんですけどー。
 でも頭で理解しても、体が理解できないので、足が動かない。


 ……と、そんなことのようです。


 僕が足を動かせたのは、これまで何度も作家として絶体絶命を経験してきて、戦力外通知のどん底から這い上がることも数回経験していて、「どんなになっても、書いてさえいれば、なんとかなるさー♪ なんくるないさー♪」という哲学が身についていることと。


 あと、「なにか新しいことを始めるのは、勝っている時」――という哲学も持っているからです。


>>すでに既存形態で地位を確立されている先生が


 いま僕は勝ってるときなので、まさに、はじめるのは「いま」なわけです。いろいろな面で余裕がありますから。


 新しいことをはじめるにあたって、最悪のタイミングは、負けているときです。
 にっちもさっちもいかなくなってから、新しいことをはじめるのが、最悪のタイミングです。


 なので、アニメ化作家になって、まだ2年ぽっちで、「アニメ化免許」も新品でバリバリの有効期限内で、新しくはじめた新シリーズも超大型即重で絶好調で、いま人生で一番勝ってる――。まさにそのタイミングで、新しいこと――「大リーグに挑戦」をはじめたわけです。


 大リーグに挑戦する野球選手でも、二通りありまして――。


 ノリにノッてる若手の絶頂期で大リーグに渡る選手と、「もう挑戦できるのはこの歳が最後だと思うから」で大リーグに渡る選手と、より成功できそうなのは、どっちなのか? てな話です。



>もうひとつの挑戦できない理由


 もう一つの、WEB小説に挑戦できないプロ作家さんの理由としては――。


 「プロである自分が、WEB小説なんていう場で、もし失敗したら恥ずかしい。プライドが許さない」


 ――なんて理由もあるようですが。
 こっちのケースについては、クソどうでもいいです。


 クソみたいなプライド抱えて飢え死にしてろ、とか言っちゃいます。

2017/11/11 17:38

>kuronaさん


 ポルノ小説がご本業のようですけど。
 あちらの業界は、ノクターンからの引きあげとかはないんですか?


 なさそうな感じなのですが、ない理由は、何だろう?


 作品長さ? 官能小説は1冊読み切りが基本だから、数十万文字もあると困るとか?
 編集者との共同作業でネタを作るから、いきなり完成品を持ちこむのは嫌われる。とか?


 ノクターンでポルノも書こうかなー、とか、画策中です。
 レーベルに問い合わせてみたら、意外と、「新木伸」のペンネームそのままでポルノ書いても、いいと言う。
 書くっつーても、HDDの肥やしになってる数百万文字のポルノを、細切れにして連載放流するだけなんですが。


 こういうやりかたなら、ノクターンでの連載からの、ポルノ書籍の道もあるよ――なんて情報がありましたら、お願いします。


 まあ、もともと趣味で書いていて、誰にも読ませてもいないものなんで、マネタイズできなくても、構わないっていえば、構わないんですけど。

2017/11/11 17:38

>パッケが見える作品


 「パッケが見える作品」っていう言葉があります。
 わりとハイエンドのスキルを持っている編集との会話で出てくるワードですが。


 ハイエンド、っていうのは、テンプレのパターンに流し込むだけでなくて、既存のどのパターンにも属さないタイプのパッケを、新しく創出できる腕を持ってる人っていう意味ですね。


 で、「パッケが見える」というのは、ある作品のコンセプトに触れたとき、ぱぱっと、どんな表紙をつけるべきか、脳裏にイメージが浮かぶということです。


 なろうの作家さんが作る、「タイトルとあらすじ」も、立派にパッケなんですね。
 ただ、文字ベースなんで、文字だけで完結している。
 絵のイメージが浮かびやすい――「パッケが見える」かどうかは、なろうのランキングには影響しません。


 しかし、編集さんが「これを取りたい」と思うのは、もちろんポイントの多寡が最大の動機を占めますが、その他に、「パッケが見える」という点なんです。


 なにしろ編集さん、パッケを作らなきゃならないんで。他人事じゃないです。


 いくつか新連載にかける作品の候補があるなら、そのなかで、もっとも「パッケの見える」を優先すると、いいかもしれません。
 あるいは、ネタを思いつく時点から、「パッケが見える」が組み込まれているぐらい、自分自身を条件下するとか。



>「パッケが見える」は、タイトルでも大事?


 なろうの読者も「パッケが見える」で、タイトルを選んでいるのかも?


>>霊感貴族の妖怪スローライフ作戦 ~王都を見返す領地開拓~
>>異世界スローライフ/妖怪ライフハック
>>異世界+妖怪=内政チートの召喚術士
>>荒廃世界の妖怪召喚士 ~開拓・発展・交易・ごはん~
>>荒廃世界でヨーカイ召喚 ~開拓・発展・交易・ごはん!~
>>荒廃世界の妖怪サモン・ブック ~開拓・発展・交易・ごはん!~
>>異世界✕妖怪=開拓+ごはん ~荒廃世界の召喚術士~
>>荒廃世界の召喚術士 ~座敷わらしと開拓ごはん!~
>>座敷わらしと開拓ごはん!~荒廃世界に幸運振りまくニコニコ都市計画~


 これらのタイトル群のうちで、いちばん「パッケが見える」のは、最後の「座敷わらしと開拓ごはん!」なんですよねー。
 ほかものは、映像イメージ化が、無理です。

2017/11/11 17:46
めちゃくちゃ読み応えがある話……!
これ、ここだけでも記事にできそうなぐらい中身が濃密ですね!

>一個人の趣味でジャッジを受け
ここは重要なところですよね。
普通、商品を売り出す大企業であれば、マーケティングを行い、市場が求めているものをデータから筋道立てて分析し、そしてある程度の規模の実地調査を行ってから販売するものかと思われます。
それに対し、現代において数字ではなく個人の感覚のみで決まってしまうというのは、大変非効率な物です。
この一点だけでも、発表媒体としてWeb小説を選ぶ意義はあると思います。
そこには迷信でも魔術でもない、数字という現実があると感じます。
2017/11/11 17:50
>「パッケが見える」
>映像イメージ化

これはなろうのランキングを見てても実感しますね。
具体的なイメージがタイトルで見えないと、読者は食いつきにくい。
画像としてキャラクターが見えるだけでなく、何が起こるかや、どんな展開やシーンが見えるか……なんてのでもいいので、映像がイメージできると強い傾向があるように見えます。

連載を開始するときはその点も気にした方がいいかもしれません。
イメージ化できるタイトルが上手く付けられない場合、その題材は何かが足りない可能性があります。
2017/11/11 18:03
> >・書店員さんウケする内容/パッケにする。


これ、特に表紙に関しては、まさにおれが今から一時間後に打ち合わせに行くので(各論ではなく、総論の打ち合わせ)、ちょっとピンポイントで新木先生の見識を参考にさせて頂きますわ……!

2017/11/11 18:19
というわけで、おれの書き込みはおそらくこれで最後になります。

すまぬ、滝口先生。


新木先生の語り口は相変わらずサービス精神に溢れていて、読んでいて最高に面白いっす!

今回もご一緒できたことに感謝!!!

2017/11/11 18:20

>タイトルに入れ忘れたという、ポカミス


>>最初、ぼんやりとしか作品の全体像が見えていなかったというのも原因の一つにある気がします。
>>話を書いているうちに、「この作品はこんな部分がメインコンテンツになるんだ」というのが徐々に輪郭がはっきりしていたというか。


 うん。普通はそうなります。
 だが、一文字も書く前に、それをやるのが、「パッケージ力」というものです。
 言い換えると「コンセプトワーク」といいます。


 まあ、なろうの場合には、3週間ぐらい、5~6万文字ぐらいの猶予があるわけですから、その執筆作業を通して、「これだ!」を煮詰めていけば、間に合うわけで――。






>コンセプトワークとは


 コンセプトワークって、難しいことではなくて、ようするに、「引き算」をする能力なんですよね。
 取捨選択ともいいますが、いらんものを捨てて、必要なものを残す、そのスキル。


 引いて引いて、引き抜いて、最後に「これ以上抜いたら、もう台無しになる」という、限界点、最小必要構成要素を見つけ出すのが、コンセプトワーク。


 3単語ぐらいにまで絞りきれば、脳内で覚えておけますから、その後、道を誤ることもありません。


 で、引き算するときに、間違って大事なものを引いちゃうと、うまくないわけです。
 単に断捨離すればいいっていうもんじゃない。


 大事なものを引いちゃうと、いらないものが残ることになります。


 たとえば途中バージョンでは、「荒廃世界」とか残しちゃってますけど、これ、必須じゃないですよね。むしろ引くべきほうですよね。
 逆に残さねばならないのは「開拓」のほうですよね。


 「妖怪」と「座敷わらし」のあいだでも、かなりの葛藤が見られますけど。
 妖怪であることが重要なのか、「妖怪」かつ「座敷わらし」であるディテールまで残すことが重要なのか、何度もタイトル変更して、試行錯誤したあげく、「座敷わらし」のディテール部分まで残すのが適切、となったわけですね。
 そこは引き算しすぎちゃいけない、と、なったわけですね。

2017/11/11 18:24

>マーケティング


>>普通、商品を売り出す大企業であれば、マーケティングを行い、市場が求めているものをデータから筋道立てて分析し、そしてある程度の規模の実地調査を行ってから販売するものかと思われます。


 マーケティング、というのは、たしかにやってはいるんですよ。


 ただ、マーケティング、と称してやっていることは、なにかというと、「いま売れているものはどれか」を調べることです。
 そんなもん、「このライトノベルが凄い」を読めば、ぜんぶ乗ってます。


 そして、データを集めたあとには、「分析」と称して、上っ面の「類似性」だけを問題にする。


 たとえば、「これはファンタジーものだ」とか「ヒロインたくさんだ」とか、「竜が出てくる」とか、「ヒネた主人公がでてくる」とか、そんな感じ。


 1作品が売れると、その些末な類似要素を「売れた要因」と決め打ちして飛びつくのが、だいたい、「マーケティング」と称して行われていることの正体です。


 「分析」と称するには、もう一歩踏みこまないといけないんですが。
 たとえば、「なぜ、ファンタジーものがウケているのか?」「なぜ、ヒロインたくさんでないとだめなのか?」「なぜ、竜が好かれる?」「なぜ、主人公はヒネている必要がある?」――という感じに。


 しかし、人間の頭というのは、「可及的速やかに答えを見つけて、思考停止する」ことのために動いていますので、理由らしきものを一個見つけると、そこで「これが原因だ!」と思ってしまうわけです。


 それで、「ファンタジーだから売れてる!」「メシがでてきてるから売れてる!」とか、真理として飛びついちゃう。
 あげく、「メシが出てこないから売れない」「ファンタジーじゃないから売れない」とか、「真理」を逆説で使い始める。


 そんで、企画をばっさばっさと斬り殺して、ボツにする。





>ラノベにおけるマーケティングの問題点


 売れているものを見て、深く分析を行わずに、類似のものを作って、単に模倣するだけ。――という手法を否定しているわけではありません。


 僕はこれを「パチモン商売」とか、「二匹目のドジョウ作戦」とか呼んでいますけど。


 本家を超えるほどは売れないけれど、上手に模倣すれば、充分な売上げがでます。


 ただ、ラノベ業界でこれをやると、時差が惨いんですよね。
 「いま売れているもの」というのは、つまり、もう4巻も5巻も、へたすると10巻以上出ているものなわけです。
 シリーズがスタートしたのは、1年も2年も前です。


 1~2年も前に売れたものを、「いま」、模倣したところで、それはとっくに時代遅れになっているものであり、売れるわけがありません。


 よって、ラノベ業界でこれをやっても、ぜんぜん、だめなわけです。
 ただでさえ、企画書を出してから、本が出るまで、何ヶ月も、1年もかかるような業界ですので。
 本が出たときには、都合3年ぐらい、時代遅れとなっています。


 ラノベ業界においては、通常のマーケティングのぬるい手法が、通用しないわけです。


 やるんだったら、「いま大ヒット中」をみるのではなく、1巻を見るべき。
 「いままさに売れ始めた作品」――即重かかった作品を、速攻取り入れて、すぐに出す。――と、これでも、時差1年になっちゃいますけど。


 ……だがしかし。
 1巻即重かかった作品をみて、イケる要素を取り入れて、企画書出しても、「そんなの売れた前例がない」とかいって、ボツなんですよねー。
 1巻が売れ始めた作品だと、編集さん、見てないし。それが大ヒットとなる保証もないし。


 ……と、伝統ラノベ業界では、「マーケティング」なる手法は、ダメダメなわけですが。
 なろうであれば、話は変わります。


 だめな理由は「時差の大きさ」にあるので。


 なろうで、日間1位の怪物が現れて、その後の3週間程度でパチモンを作って連載開始するなら、アリです。ぜんぜん大アリ。


 まあ、パチモンあるいはドジョウ作戦っていっても、3要素をすべて真似してると駄目なんですけどね。
 強い2要素だけを真似して取り入れて、1要素は新奇要素で入れ替えないと。

2017/11/11 18:25
>架神先生
おつかれさまです!

>コンセプトワーク
なるほどそんな手法が……!
どんどん引き算をする、そして引きすぎない……そんなパッケージが必要なんですね。
これはパッケージだけじゃなくお話のストーリー自体もそんな気がしますね。
その話で何をするか、何が読者を楽しませられる要素で、何がいらないものなのかの取捨選択。
コンセプトを明確化しておくのが大事な気がします……!
2017/11/11 18:40

>架神さん


 打ち合わせ、いってらっしゃいませ。


 なお、打ち合わせ前には、顔をバシバシ叩いて気合いを入れて、


「うおおおおーっ!! 俺がルールだーっ!! 俺が神だーっ!! 文句あるかー!!」


 と叫んで、気合いを入れてから赴くのが、古来より伝わる、正式な作法となります。

2017/11/11 18:44

 僕もだいたい書き切ったので、あとは、質問があれば答えるくらいかな。
 なにか答え忘れている質問があったら、教えてください。


 あとは、まえにあげた、拙作の3つのパッケ絵。
 「英雄教室」「異世界Cマート繁盛記」「自重しない元勇者の強くて楽しいニューゲーム」

 これら3つのパッケの、どこがなぜ、40歳元文学少女書店員さんに好まれるのか、どこがなぜ嫌われるのか、それの解説をしようかなと思ったけども。
 パッケデザインをする人でないと、役に立たないので。


 気が向いたらやります。

2017/11/11 18:47
>ドジョウ作戦っていっても、3要素をすべて真似してると駄目
そこで既存2新奇性1という黄金比がまた出てくるんですね。
おっかけるにしてもまるっきり同じではダメ……!
そして新奇性も、読者が求めるものを予想しておくのが良さそうです。

あと以前、某先生がツイートしていた内容で「『斬新なモンスターとか設定を出すな』と編集者に言われた」というお話がありましたね。
あれはおそらくゴブリンだとかそういう既存のおなじみ設定が好かれている……なんてのが真因ではなくて、必要性があるのは「話が早いこと」や「伝わりやすいこと」ということなんだと思います。
そして斬新なモンスターなんかの設定がダメなのではなく、斬新な設定以外の他の魅力を求めている(=斬新なモンスターがいてもべつにいい)と分析しなくてはいけないところを、歪曲してしまったのかもしれません。
2017/11/11 18:45
>「うおおおおーっ!! 俺がルールだーっ!! 俺が神だーっ!! 文句あるかー!!」
あっこれ、たぶん大変重要な事だと思います!
理由は言いませんが、見てる方々は是非そう唱えて心を強く持って下さい。
2017/11/11 18:53
>パッケデザイン
そこまで言われたら大変気になる……!
ここはちょっとアレがあれでアレなんですが……。

とりあえず、大変興味はあります!
実際に役立てられるかはわかりませんが!
2017/11/11 18:56
次の会場を用意しました。
おさらくラストですが、よろしくお願いいたします。
2017/11/11 19:00

>タイトルのポカミス


あああ!なるほど!

最初に伸びなかったのはタイトルに込めなかったから!


あらすじには、ごはん要素とスローライフ要素を込めていたのですが、

”真の売りとなる要素はタイトルに入れなければならなかった”のですね。


タイトルか、あらすじか、そのどちらかに入ってればいいのではないかと

勘違いしておりました。


コンセプトワークの話とも合わせて「なるほど!!」と頷くばかりです。

新木先生、本当にありがとうございます!

参考になるばかりです!

2017/11/11 18:43

aji_furai

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