ハロウィンナイトカフェ

店奥のテーブル席6「パンプキン パーティ」コロナックル

エピソードの総文字数=1,373文字

パンプキン パーティ    コロナックル
「ふふふ、ついに、ついにこの日がきたわっ!!」
「ちょっ、文香。声大きいって。」
「ごめん、ごめん。ついテンション上がっちゃって」
「ハロウィンって、カボチャとお菓子をいっぱい食べても、文句言われない日じゃない?」
「そうだった?何か違うような……」
「わぁ、カボチャのフレンチトーストおいしそう。」
「それに目をつけるなんて、さすが愛結(あゆ)。お目が高い」
「いやいや。それほどでもありますよ」
駅前のアーケードなかほどにある喫茶エブリシング。

パレードを優雅に見れる立地とカボチャを使った軽食やデザートの美味しさもあり、ハロウィンの日はお客さんがあふれる。

なかでも、カボチャのフレンチトーストは男性にも人気があり腹持ちもいい。文香の1年ごしのお目当ても、もちろんコレ。


「会いたかったよ~!」
メニューを見ていると顔が勝手に、にやけてしまう。

ハロウィン限定メニュー(カボチャ)が、よりどりみどり。

「おいっ、おまえら、目的忘れてねー?」
「まぁまぁ、和哉もなにか食べないともたないよ」
「そうそう、腹が減っては戦はできぬってねー」
「ご注文は、お決まりでしょうか?」
「とりあえずカボチャフレンチトーストセットと、丸ごとカボチャのシチュー、パンプキン・プティング、焙煎珈琲、私はそれで」
「カボチャフレンチトーストセットと焙煎珈琲、お化けパンプキンサラダ、ハロウィンチーズディップとカボチャのケーキでお願いします。和哉は?」
「カボチャフレンチトーストセットとコーラ、パンプキンパイをお願いします」
注文した料理がテーブルいっぱいを使って並べられていく。

カボチャの鮮やかな黄色が食欲を刺激する。

「さすがに、ちょっと手狭ね」
「おまえら、頼みすぎなんだよ」
「だって、あの光があらわれたらとうぶん食べられないかもしれないんだよ!」
「そうね、あれから5年もたつのね」
「……千尋」
5年前のハロウィンの日ーー。
エブリシングで、くだらないことを喋りながらハロウィンのパーティをした。
その帰り、結城 千尋は白い謎の光に呑み込まれ、それっきり帰って来なかった。
「俺が、もっとちゃんと送っていれば……!」
「和哉のせいじゃないよ」
「そうだよ、あんな光反則だよ」
「また明日ね」
(あれが最後なんて……認めたくない!)
「……どこ行っちまったんだよ。千尋」
コーラを一気に飲みほすと少し乱暴にコップをテーブルにおいた。
「すいません、コーラおかわり」
「お化けの白玉あん、くださーい」
「私も、それお願いします」
「はーい、ただいまぁ」
「今年こそ、手がかりを見つけてみせるんだから!」
「ええ、がんばりましょう」
10月31日。

夏の季節が終る日。

古代ケルトでは、かがり火を焚いて踊りあかす。


11月1日。

冬の季節が始まる日。

その境目の時に、異界の門が開くという。

5年前のハロウィンにあらわれたあの白い謎の光ーー。

あの光にもう一度あえたなら、千尋にもう一度会える気がする。

「テイクアウトで、パンプキンボールお願いします」
パンプキンボール。

裏ごししたカボチャを茶巾にしてカラッと揚げたものに食べやすいようにピックが刺さっている。千尋が好きだったメニューだ。

「おまえがどこにいても必ず見つけてみせる」
10月31日  AM0:00


和哉、文香、結愛の5年ごしの戦いの火蓋が切られようとしていた。

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