【1/9】恋愛ダンゲロスSS(85)南雲あやVS如月真琴

南雲あや

エピソードの総文字数=2,599文字

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はあ……
何度目か分からない溜息をつく。

昨日も成仏できなかった。人と関わることが恥ずかしくて、結局いろんなに人に変身しても怪訝な顔をされて終わり。幽霊になってまでの私の存在意義ってなに、そう思う。

nakumoaya

今度こそ恋がしたい、愛されたい……こんな私、愛されないと、成仏できないよ……

「恋」、恋ができればきっと成仏できる。

誰かから愛されること。この世に未練はただそれだけ。

nakumoaya

ママ―!あれ買って!!!

ダメ、この前も似たようなやつ買ってあげたでしょ

むうっっっ!!!ママは、あたしのこと、かわいくないの?

そんなのっ……かわいいわよおおおおおおおおおおお!!!!!!買っちゃう!!!!!
ぎゅむっ

nakumoaya

母親は服を買ってとごねる子供をぎゅっと抱きしめた。

結局買ってあげるんだ……あれは間違った育成方法だと私は思う。絶対ろくな子に育たない。

私は、生きてる時にお母さんにそう言っても買ってくれなかったけど。

だから、ああやって甘えられることがとても羨ましい。

nakumoaya

子供はいいな……わたしも子供に、なってみようかな……えいっ
私の能力は人間ごっこ。

人間を生み出し、憑依する。生み出したのは、子供の男の子。

nakumoaya

こんなものかな。

うわわっ、初めて男の子になっちゃった。

恋がしたかったはずなのに、気が付くと今日は子供になっていた。


母から子供に与えられる愛と、恋人から与えられる愛とは根本から違っていることは知っていたはずなのに。

nakumoaya

うーん、どうしよう……あっそうだ迷子センターでも行ったらお友達できるかも

迷子センター

nakumoaya

ここは大型デパート。

迷子センターはにぎわっていた。

nakumoaya

あれ、どうしたの?きみ迷子?
こくっ
そっかー、ママは? 一緒にきたの?
ママは、いない……パパもいないけど
あらあら……それじゃあ迷子センターにきた意味がない……

うーーーーーんん!!あっ、そうだ

お兄さんはぽんっと柏手を打つと、にこっと笑って、私?僕?の頭をぽんぽんした。

そしてそのままなでなで。

nakumoaya

――ボクが、君のママになってあげる♪
「ママになってあげる」

そう言って笑った瞬間、心がぽうっとなった。


直感したのは――ママ。もうママが目の前にいた。

こんなところにいたんだね、ママ……

nakumoaya

nakumoaya

ママが「お先に失礼しますね♡」と言ってデパートを後にした。

どうやらママのパート先はあそこで、働いていたんだね。

nakumoaya

ついた!
ここは?
ママと、君のおうち♡ 忘れちゃったの?ふふっ
おうち……そっか、そうだったね。えへへ、ぼくのおうち……

ママ、なに着替えてるの?

家に着くやいなや、ママは服を着替えだした。

全裸になり、引き締まった筋肉が露になる。


そしてまず身に着けたのは網タイツ。

そしてその全裸にエプロン。裸エプロン!

あれ?僕、ショタのはずなのに裸エプロンとか網タイツなんてなんで知ってるんだ?

nakumoaya

これがママの、いつもの正装♡
そうだったね!うん!ママはいつも家で裸エプロンに網タイツだったよ!
そう。ふふっ。

帰って来たばっかだし、お腹空いたでしょ?

すいた! そういえば、お腹めっちゃすいてる!
でしょ?

だからぁ――今日もあるわよ、ママのみ・る・く♡♡

ミルク!!わぁい!!ミルクはやく飲みたいっ!待ちきれないよおっ!!
がばっ

nakumoaya

きゃあっ!
ミルク、そう言われて僕はママを押し倒し、ママのそこへしゃぶりついた。

え、なんでミルクの場所が分かったって……そんなの、そこから甘い匂いが漂っていたから。

nakumoaya

ママ……ママァ…………♡♡
ごくっ、ごくっ。じゅるるる

nakumoaya

ぷはぁっ!!!

美味しい!!美味しいよママ!!!!!ママのミルク超絶おいしい!!!!

こ、この子こんなに積極的だったのか……!

ママ、もう5年くらいママしてるけど、こうして直に吸われたのなんか初めてだよ!?普段はコップに入れて飲ませてあげてるのに!

あとなんでそこから出るってわかった!?

あとしかも悔しいけどっ、めちゃくちゃ上手い!!

ママがなんかぶつぶつ小声で言ってる。

全然聞こえない。

nakumoaya

ママァ? 
ハッ……! ぜんぶ飲めたね、偉い偉い。
そう言って僕の頭をまたなでなでしてくれる。

このなでなで、たまんないな……幸せだ

nakumoaya

うっ……
なんだかそう思うと涙が出てきて、溢れてとまらなくなる。

子供って涙腺弱いもんな。

泣き止め、と思っても涙は切れることはない。

nakumoaya

あらあら、泣いちゃって……辛かったり、苦しかったりしたらママに甘えていいんだよ。
つらい? 苦しい?


いや、そんな感情じゃない。

これは、嬉しい時に流れる涙。今まで流れたことがない涙だった。

nakumoaya

違うんだ、ママ……
違うの?
僕の今流してる涙は、そういうんじゃなくって……


ママに愛されてるっていう思いから、嬉しくなって、自然に流れてくる涙なんだ!!

――愛


それはずっと私が求め続けていたもので、この世に留まっていた未練。

今、それが満たされて、涙があふれてくる。

そう思うってことは、ママから愛されてるって思っていいんだよね……?

nakumoaya

そうだったの!その涙は、いい涙よね
僕は、ママのこと好きだけど、ママは僕のこと好きだよね?
僕がそう問うと、ママは目をぱちぱちとして、きょとんという顔をした。

それからぷっと吹き出し、にこっと優しい笑顔で僕に微笑みかけた。

nakumoaya

もちろん、好き。愛してる。
…………っ!
ストレートなその言葉に、ドキッとして、驚いた。

そんなストレートに言われると思わなかったから。


そうして――

nakumoaya

…………
変身が解除された。


僕……ううん、私は幽霊の墓森 遥へと戻った。

nakumoaya

あれ、君、女の子だったの?しかも幽霊?
はい……
幽霊なのに人に見られるから厄介だ。

あああああああ恥ずかしい。消えてなくなりたい。


そんなことを思っていると、私の身体が突然ぽおっと光り始めた。

辺りを包む神秘的な光。

nakumoaya

えっ……! もしかして、成仏!?
みたいだね?
にこっと笑った男性。

なんかもうママみ感じない。

私にとって、もうママじゃないのだろう。

男をママだなんて言ってなんか色々ミルク……とか失礼なことしちゃったけど、そのおかげで成仏できそうなんだ。

nakumoaya

ありがとう……ございました
え?
わたしのこと――愛してくれてありがとうございましたぁっ!!!
ううん、ママだから、愛するのは当たり前だよ。

こちらこそ、お役に立ててなりより。

私の身体はぽうっと消えていって、成仏した。


ママは、手を振りながら私の成仏を見守ってくれた。

ほんの一時だったけど、愛してくれてありがとう、ママ。

nakumoaya


Fin

nakumoaya

そこまで!

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