マジカルミュージック

夢灯籠

エピソードの総文字数=1,310文字

    双葉は、昔の夢を見ているんだ……。

    十年前、双葉とミミは一緒の時間を過ごしていた。

    一緒にピアノを弾いて、スイカやかき氷を食べ、一緒に昼寝をするような仲のよい親友であり、ライバルであった。

2017/07/02 22:59
   その日はたまたまお盆休みの最終日。双葉の住んでいた村では、灯籠祭りがあったんだ。

    双葉とミミは、一緒に作った灯籠を川に流して願いを叶えようとしたのだ。もちろん、双葉とミミが仲良く過ごせますように、という子供じみたお願い事……。双葉とミミは、それを夢灯籠……と呼んで喜んでいた。

    しかしそれは、死者の魂が無事天に召されるようにする道標であることを当時知らない。

    子供の好奇心ってやつは怖い……。

2017/07/02 23:02
    双葉とミミは、そのあとも交流があり、コンクールなどにも一緒に出たりしていた。

    しかし、結果がでない双葉と結果が出るミミ……遂に双葉は、限界に達してしまったのだ……。

    そして、双葉はピアノから逃げた。

    逃げてユーフォニアムを始めたのだ。

    当時は、ユーフォニアムがとても重くて辛かったが、それなりに筋肉もついて、心も強くなった気がした。

    しかし、それを知ったミミは大激怒したのだ。

2017/07/02 23:06
何故、ピアノを辞めたのよ、双葉!!
2017/07/02 23:09
私にはピアノの才能がないから……
2017/07/02 23:10
才能がなくてもあたしは、認めているでしょ!!    なのに、何故なのよ!!    もう一回、ピアノの世界に戻ってきてよ、双葉!!    あたしは、双葉がいたから頑張れたのよ!!
2017/07/02 23:11
それは大袈裟に言い過ぎ……。ワタシには無理だから諦めて……。そして、ユーフォニアムに出会ったの……。ワタシには、ぴったりの楽器でしょ。背の高いワタシには、ピアノなんて向かなかったのよ……。ただお母さんに言われてやってただけ……。ごめんね、ミミ……。裏切ってごめんね……
2017/07/02 23:12
双葉のバカ!!    もう知らない!!    絶交だから!!    これから先、あたしに話しかけないで!!
2017/07/02 23:15
    あの日のミミは、涙を流しながらその場を走り去ったのだ……。

    全てはワタシのせいだ、と双葉は今でも思っている。だから、「君の名は。」コレクションでソロが回ってきたときは嬉しかった。

    しかし、無伴奏ソロ……。

    ワタシには無理だよ……、と双葉は思っている。

    またピアノと同じように諦めちゃうのかな……。誰も助けてくれないこの世界で双葉は、もがき苦しみながら生きて死んでいくのだろう。

2017/07/02 23:15
    それなら……
2017/07/02 23:18
一人で死にたい……。誰にも見つからないところで……。ワタシは、残酷な人間だから生きていても無駄なのね……
2017/07/02 23:19
    時間があれば、ミミとの思い出を考えてしまう……。

    相手は、双葉の事なんてどうでも良い、って思っているだろうけど……。

    双葉は、夢を灯籠にのせて掲げたい……。ミミと仲直りしたい、って。

2017/07/02 23:20
    ミミと仲直り出来るなら何でもやってやりたい。同じ部屋で過ごしているのに会話はないし、無視されるし……。
2017/07/02 23:24
    あの日流した夢のような灯籠はどこをさ迷っているのだろうか……。

    双葉の見ていた夢はここで途切れたのであった。

2017/07/03 07:56

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