【7/23】ダンゲロスSS(25)マグロVS餅から

マグロ

エピソードの総文字数=2,812文字

ここはマグロの海域だ!書き込んだら跳ね飛ばされるぜ!
「Shit! やられたわね」
「ここは……『ピ』の家?」
ワイルド・W・ウェンディは唾を吐き捨てた。最初の攻防は、彼女の敗北と言っていいだろう。

thirdmaguro

深夜の茶道部室で暗黒抹茶ピストル拳に想いを馳せていた彼女は、突如として襲撃を受けていた。

thirdmaguro

彼女がそれに気づいたのは、襖が開いてからだった。

thirdmaguro

「ほひひww」
「暗闇から現れた男!光り輝くポークビッツ!最低の気分だわ!」
ちなみに、『ピ』というのは彼氏……カレピッピの意味だ。ウィンディは今、ピの部屋のベッドに腰掛けていた。

thirdmaguro

「これは……瞬間移動?いえ、幻覚?」
ズギューン!!

thirdmaguro

手元の抹茶が火を吹いた。これがウィンディの魔人能力、茶道の銃口(サードマズル)。

thirdmaguro

「もしこれが幻覚なら……あの男はこの方向にいたはず」
……!……!

thirdmaguro

「なあに?この音……。一階から聞こえるわ!状況はまだわからないけれど、打開するほかなし!!いざ行かん戦さ場へ!!」
ウェンディもまた、微妙に日本文化を誤解している外国人の一人であった。

thirdmaguro

「あら?視界が歪んで……いつの間にかピのリビングに!?」
おお……部屋の中央を見よ!


いや、見るべきではないのだろうか……!!

thirdmaguro

チャッ!チャッ!チャッ!
ケチャチャチャケチャチャチャケチャチャチャケチャチャチャ!!!
エンヤ〜エンヤ〜エンヤ〜エンヤ〜!
「これは!インドネシアはバリ島の伝統音楽……ケチャ!!!」
(アタシはこの不気味な歌声、音楽の授業で聞いてからだいっ嫌いなのよ……!)
「オォ〜〜ゥ!オゥイエス!!カモンカモン!!アハァ〜ンン!!」
「ピ!ピなのね!?」
パンパンパシン!パンパシンパシン!!
「ピ!なぜ日本人なのに欧米かぶれの喘ぎ声を出してるの!?なぜケチャを歌う集団に囲まれながら脇をリズムよく叩かれているの!!?」
「すまない、ピ。俺は気づいてしまったのだ……民族音楽を聴きながら脇を刺激されると最高に興奮するということに」
ピとは彼女……すなわち、かのピッピのピである。

thirdmaguro

「ピ!だったらアタシが!アタシが脇を叩いて見せるわ!!アタシに脇を叩かせてよ!!」
「オッホォーーゥ!!

だっ、だめだ。俺は君と、彼を比較したくない!」

「彼はマイベスト脇叩きパートナーなんだ!!今日のためにわざわざ楽団も用意してくれて……、ンゔゔゔゔゔゔ!!」
ウィンディのピは快感のあまり気絶した。

崩れ落ちるピの背後には、不気味な笑みをたたえた気味の悪い全裸の男が立っている。

thirdmaguro

「そんな……ピ!起きてよ、ピ!

あなたがやったのね……私をこの空間に連れ込んだ張本人にして、ピのベスト脇叩きパートナー!!名乗りなさい!」

「おホォ〜〜そそる顔をしておりますぞww


おおっと失礼。拙者……金柱種雄と申す者。万年利休様の右腕にして鎮保寺(ちんぽじ)の破戒僧、怒魔羅棒陰茎(どまらぼういんけい)殿の命で参上つかまつったユーチューバーにござる」

「なんですって!?」
「お主がどこまで腕を上げたか見てこいと言われここまできたものの……これじゃあとんだ骨折り損ですな。


恋人が寝取られたくらいで動揺するとは……!」

「きぃー!こんな、こんなWABISABIのわからなさそうなブ男に言われるなんて屈辱よ!!」
「その顔もうちょっと斜め下から見てもいいっすか?


……うっ!」

「きゃっ……!?」
ぐにゃり、とウィンディの視界が揺れた。耳にはケチャの音に混じりながら、かすかに夏を思わせるHANABIの音。

thirdmaguro

そして目の前には、無様な表情で下半身を晒す種雄の姿!

thirdmaguro

「さあ抹殺の時間よッ!」
ところで金柱種雄は普段、洋モノを見ることは少ない。

thirdmaguro

(う、迂闊でしたぞ……まさかこんなに可愛くてエッチな女の子が相手だとは思わなんだ!)
おお、天井が燃えている。種雄の射精……決して本番などしないという鋼の決意が生み出した睾丸花火は、高々と天井まで打ち上がり和室をいままさに燃やさんとしているのだ。

thirdmaguro

「まっ……まずい!!」
ウィンディの眼光が、貫かんばかりにこちらを見据えている!!

thirdmaguro

ところでこのような話を聞いたことはないだろうか。人は命の危機に瀕したとき、生殖本能が刺激される……と。

thirdmaguro

「うっ!」
「まずい!能力を発動する間も無く、もう一度打ち上げ花火フライアウェイしてしまいましたぞ……!?」
この男、早漏であった。

thirdmaguro

(なにか……何か手は!?)
右手に持った茶器の内側、緑の湖面が渦を巻く。
「くらいなさいクソ野郎!!」
「こ……『コレ』だ!!うおおおおぉおぉあぉぉぉぉあお!!!」
パァァァァン…………

thirdmaguro

〜〜

thirdmaguro

ワイルド・W・ウェンディは、己の右手を見ていた。

thirdmaguro

そこに、慣れ親しんだくらい色合いの茶器はない。ただ空虚であった。

thirdmaguro

「あ……ヤツはどうなったの!?」
「ぬほww拙者のことですかな?」
「おおっと、ここは万年利休様の私設病院ですぞ。暴れてはなりませぬ。利休様は貴方を買っているのです。


金髪和服少女萌え……と」

「アタシは……あんたみたいなブサイクにも負けたの!?このワイルド・W・ウェンディが!?万年利休だけにではなく!!」
「あたしは……最初に撃った抹茶弾丸の弾痕をシッカリ確認していたわ。あんたの頭の真横の壁にあったはずよ……あれで亜空間ではなく幻覚だと理解したわ」
「だからアタシは2度目の幻覚を食らっても、攻撃を続けた!一発は食らったはずよ」
「悪いが拙者、『やれやれ、僕は射精した。とおもったらまた射精していた。やれやれ』でお馴染みの早漏でござる。おまけにケツが敏感」
「だから拙者、文字通りケツをまくって逃げたのでござる」
「一度目は自分の体の向きが同じだったというのは、わざとなのでござるよ。二度目は百八十度反対。てんで見当違いの方向に撃っておりましたな」
「いいように、遊ばれていたってわけね……Shit!」
(ピが奇天烈な方法で寝取られていようと戦闘意欲を失わない強さ、恐ろしいものがありましたぞ。拙者のように揺さぶりをかけて隙を狙うタイプは、次は勝てませんな)
「いやぁ〜尻が敏感で助かりましたぞ!お陰で瞬間的に勃起、再度能力を発動できましたからな!」
「わかったわよ変態野郎。話は終わったわね?さっさとここから出て行きなさい」
「おおなんて素晴らしい表情!勃起してまいりましたぞ」
「そうそう。あれらは全て貴方の脳が作り出した幻影ですので、現実のピは脇で興奮しませんし、ケチャもあまり好きではありません。

また、貴方の病状は火災に巻き込まれた酸欠のみですので、すぐに退院できるはずです。


それに、今も扉の外でピが待っておりますぞ。では拙者はこれにて失礼」

「くっ……今回は、完全敗北ね。首を洗って待ってなさい!あんたも必ず殺してやるわ、金柱種雄!!」
「あっそんな表情でそんなこと言われると興奮して」
花火の音が病室で鳴る。火災報知器が鳴り出して万年利休の私設魔人部隊が何事かと病室にやって来る頃には、そこに種雄の姿はなかった。

thirdmaguro

お わ り 。

thirdmaguro

よーっし!時間だ!書くの終わり!

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