【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件

【フェン01】たけうちりうと

エピソードの総文字数=999文字

彷徨う指輪
2017/11/30 16:19


 ギンがどこにいるのかわからない。

 いままでこんなこと、一度もなかった。

 ギンってどこかぽんやりしてて、注意力ないし、頼りないし。

 でも、いつでもわたしのそばにいたのに。

 三秒以上離れたことってなかったのに。


 そしてわたしは、自分がどこにいるのかわかっていない。

 昏い。気温低い。雪の上。気圧が低い。

 それは自分の体積の変化でわかる。わかるの。

 だけど。ここはどこなの?


 四つ足のけものが近づいてきた。

 生暖かい息。ふっふとわたしの匂いをかいで。


 あっ!!


 ちょっ! 何するの! 


 噛んだわね! この変態野郎!


 急いで外円を縮めてエネルギーを溜め込んで。

 F———E———N!(変身)


 いいい痛い痛い痛いっってば! 爪たてないで!

 いつまでわたしにしがみついてる気? バカなんじゃないの?

 わたし、大型の北極オオカミに変身したのよ?

 怖がりなさいよ、ホントにもうっ!


「すみません、そのフェレット僕のなんですけど」

 男の子の声が聞こえた。

 わたしから少し離れたところにその子は立っていた。

 高校生くらいかしら?

 オオカミに話しかけるって、どうかと思いますけど。

 

 でも。そのときわたしは自分が直立していることに気付いた。

 あらら? オオカミは二本足で立たないはず。でしょ?

 

 わたし……えっ? えっ、えっ、えええーーーっ!

 きゃーっ!


 わわ、何? 何故? なんで? ヒト型になってる!

 しかもビキニ! この気温で夏仕様?

 白いふわふわのファーに縁取られた真っ赤なビキニって。

 ありえなーい!


 そしてビキニの真上!

 女の子的に、そこ絶対触られたくない谷間領域にくっついているのは。

 白っぽくてほっそりして真正のもふもふなけもの。

 だけどね! 生肌に生爪でしがみつくのは頼むからやめて!


「こ、これってフェレット……?」

「それってサンタクロースの衣装?」


 わたしとその子は同時に尋ね合った。

 白いフェレットが顔を上げてわたしを見る。

 目が丸くてつぶらで。可愛い。

 可愛いのはいいとして、いつまで胸に乗ってるの。

 どうかと思いますよ。もふの分際で。


「早く捕まえて。あなたこの子の飼い主なんでしょ?」


 男の子は軽く首を傾げ、うん、と言った。

 近づいてきて、フェレットの頭を雑な感じで掴む。


 白い身体がにゅうーんという感じで伸びてフェレットはわたしから離れた。



2017/11/30 16:20

riutot

2017/12/02 01:06

CHIHIRO_F

つづきのエピソード

【フェン02】米洗ミノル

2017/12/02 13:10

CHIHIRO_F

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