黄昏のクレイドリア

14-3

エピソードの総文字数=624文字

なんだって……?
カノンの言葉に慌てて遺跡へと駆けつけると、
彼女の言ったとおり、ディーンの目にも
人影一つ、広間に広がる
空間以外は何も映らなかった。
…………。
(前の……塔の時もそうだった。
 別行動をしている内にイーリアスが、
 今回はセシルまで……。)
(いや、それだけじゃない、
 あたしはもっと前にだって――)
カノン?
!!
ぼーっとしてたから、
……大丈夫かい?
えぇ、大丈夫。
ありがとう、ディーン。
俺も一緒に君の仲間を探すから。
大丈夫、きっと近くに居るさ。
……ありがとう。
(……そうよ、
 落ち込んでばかりいられない。
 早いこと2人を見つけ出さないと)
森の"惑いの時"にはまだ早い。
この雨だし、外なら
足跡くらい追えるはずだ。
わかった。それじゃあ
行きましょ――――
痛っ?!
ディーンの方へ顔を向けたまま
遺跡の出口へ向かって走ると、
カノンは何かにぶつかった。
な、何?
…………。
…………。
ぶつかった方へ視線を彷徨わせ、
下方へ向けると、見知らぬ子供が
尻餅をついてカノンを見ていた。
……えっと、
どうしたの、ぼく――――
……………………、
…………い、
え?
おれは何も知らない!!
あっ!
問いかけられてから
顔を伏せたまま言葉を吐き捨てると、
少年は躓きかけながら、
その場を走り去ってしまった。
今の子供は……?
どう考えたって怪しいでしょ、
あの子を追うわよ!
あっ、ちょっ、
待つんだカノン!!
ディーンの制止の言葉も聞かず、
姿を見失うまいという一心で、
カノンは子供を追って走り出していった。

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