黄昏のクレイドリア

2-2

エピソードの総文字数=682文字

<クルミ通りわきの路地>
(さてと、賊も引き渡したし、
 さっさと宿を探さないと……

 あぁ、二日ぶりのベッドにご飯が恋しい――)

!!

路地にかかったアーチから出かかったところで

殺気を感じ取ったカノンは足を止める。

すると、鼻先でぶんとにぶい風切り音が、

頭上から地へと降りていった。


すかさず地面を蹴って間合いをとり、

襲撃してきた正体を

夕闇から探ろうと目を凝らすが――――

…………。
(…、鎌……?)
襲撃者は、人の背丈ほどある大鎌を携えていた。
すっくと立ち上がり、様子を窺っている。

もしかして、あんたが噂の

"不可視の死神"?

…って言っても答えないだろうけど

……。
カノン・ルアルディだな。
だったら?
俺に殺されるか、
契約して生き存えるか……
選べ。今すぐに。
ハッ、冗談――――
何もしないまま相手の言い成りになるなど、
ありえない事だ。
対抗しようと剣を抜きにかかったが――
…………。
……なッ、
こちらが抜くよりも早く、
相手はカノンの首元にナイフを突きつけていた。

…もう一度言うぞ。

このまま俺に殺されるか、
俺と契約して生き存えるか…どちらかを選べ。
猶予は長くないといわんばかりに、
刃を首筋に立てる。
一筋についた傷口から、血が流れていった。
――――ッ、
契約をする。そうカノンは言ったはずだった。
"生きていればなんとかなる。"それが彼女のモットーだったからである。

しかし、意思を伝えようと口を開いた途端、意識が混濁し始めたのだった。

何か言葉のやり取りをしたような気がするが、

しなかったような気もする。

自分は生きているのか、それとも死んだのか。
カノンの意識は、

そのまま闇の中へと落ちていった――――

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