ギルド!~ダンジョン出張所~

【シーラさま:4人PT】

エピソードの総文字数=1,984文字

                ~ダンジョン入り口~

rabbit1923

灰色の煉瓦が積まれた丸い煙突のような建造物。窓はなく、内部を知るには踏み込む他にない。
これがダンジョンと呼ばれる冒険者に夢と宝と絶望を与える迷宮である。

rabbit1923

【???】
「ふむ……。どうやら、
ここが“ダンジョン”入り口ようだねぇ」
【???】
「……………………」
【???】
「やれやれ。シュタイン、君は変わらないな。
初めてのダンジョンなんだ。何か一言くらい呟くなりしてはどうだい?」
【???】
「シュタインは無口でもかっこいいよ?」
【シーラ】
「まあ、確かにシュタインはクールだ。
だが、騙されるなよソラ。
奴はああ見えて変態野郎だかr――――」
【シュタイン】
「………………(イラッ)」
シュタインの背後に隠れていた(普通に見えてる)ジェルマンがシーラの帽子に触手を絡めた。

rabbit1923

【シーラ】
「ま、まて待て!    悪かった!    帽子を盗るのは反則だろう?!」
【ソラ】
「帽子、とるの嫌なの?」
シーラとジェルマンは帽子の引っ張り合いに夢中でソラの声は届いていない。

ソラの問いに答えたのはこのパーティ4人目のメンバー、テイルであった。

rabbit1923

【テイル】
「シーラさんは昔から寝癖がひどいらしく。それをあまり人に見られたくないそうです」
【ソラ】
「そうなんだー」
【テイル】
「ほら、
シーラさん、シュタインさん、ダンジョンに行きますよ」
テイルは未だ続けていた二人を止めて入り口を指差して言った。

rabbit1923

【シーラ】
「そ、そうだよな!    よし、行こう。早く行こう」
シーラはこれを好機と見なし、早業で手形をかざした。

rabbit1923

すると……
なるほど、ただの壁だと思っていた場所にいつからあったのかぽっかりと穴が開いている。

認識を錯覚させる類いの魔法だろうか?

シーラは魔法職ではないので塔に魔法が張られているという話もぴんと来ないのだ。魔法の種類などわかるはずもなかった。

rabbit1923

【テイル】
「シーラさん、そんなところで立ち止まったら皆が通れないですよ」
【シーラ】
「ああ、すまない。では行こうか」
シーラら一行がダンジョンの入り口を潜ると、あたかも先程までの光景が嘘のように穴は壁に戻った。

rabbit1923

                ~ダンジョン(1F)~

rabbit1923

ダンジョンに入って最初に目に映ったのは壁、壁、壁。
正面と左右に壁があった。といっても囲まれている訳ではない。左の壁は正面の壁に接する前で左へ折れている。天井と壁の間には隙間が見えた。こういった光景は幼き頃に覚えがある。つまり、迷路だ。

rabbit1923

へぇ。随分ご立派じゃないか
登るのは厳しそうですね……。
おや、テイル。登ること前提なのかい?
言ってみただけですよ。
ねぇ、シーラ
なんだい?
私、変身できないの。なんで?
ソラの言葉でシーラは受付の人に言われたはじまりの塔の『制限』を思い出した。

rabbit1923

                はじまりの塔

        制限    :    魔法が一切使えない。

rabbit1923

え?
……………………

と、言う訳で魔法は使えないらしいんだよねぇ
迷路内をシーラの無理やりの笑いが木霊した。

いやーはっはっはと誤魔化そうとするシーラの帽子をテイルがむんずと掴み、無言で引っ張る 。

rabbit1923

やーめーてー!
…………チッ
テイルが舌打ちした!    誰か助けてー!
シーラさん、……御愁傷様です?
ソラ!?    誰だ!    そんな言葉をソラに教えたのは!
………………(ニヤリ)
シュタァイィィィィン!!
盗られまいと必死に帽子を掴むシーラの手にぬるっと何かが触れる。

rabbit1923

いい加減そいつをなんとかしろ!    シュタイン!
………………(?)
とぼれる気かい?    今、確かに君のジェルマンがあたしゃの手に――
………………(!)
シュタインは喚くシーラの頭上で何かが鈍く光ったことに気づいた。


動こうとしたシュタインの横をテイルが駆け抜ける。
シーラの目前まで近づき、未だ状況を飲み込めていないシーラに「失礼します」と短く伝えたテイルはシーラにタックルをかました。

rabbit1923

えっちょ、うぐ!!
シーラとテイルが床を転がる。
間を開けずしてべちょーんと水気をたっぷり含んだ何かがシーラの元いた場所に落下した。

ジェルマンのように見えたそれはぷるぷるーんと震える。

rabbit1923

わんぬ
わ、わん?
ジェルマン……じゃない?
青く半球体のような見た目をしたモンスターはわんぬ、わんぬと鳴いている。

rabbit1923

……………………
(もしや……)
シーラは受付で手形と一緒に受け取ったはじまりの塔の調査書を取り出した。

rabbit1923

どうしたんです?
いや、確かこの辺に…………あ、あった!
調査書の出現モンスターのページ、一番左上を指差す。そこには青いモンスターの絵が描かれていた。
絵の横に名が記されている。“青スライム”。

rabbit1923

と、言う訳で実は調査書をもらっ――――
バシィィィン

rabbit1923

シーラの言葉を遮るように張った音がシーラの左頬に炸裂する。

rabbit1923

痛いだろう!
事前に伝えて下さい!    しかも、2回目!

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