マジカルミュージック

悠の困惑

エピソードの総文字数=2,296文字

    一方の二人組は、圭と歌音の修羅場を見ていた。

    如何わしい感じのピンクがモチーフのホテルに圭が歌音を無理やり連れ込んだのだから、この二人も黙ってはいられなかった。

けしからん!!    もっとやれ!!
明里、興奮するところがおかしいですよ!!
だって、歌音に強引に迫る圭を見ているとあたしまで萌えちゃうんだよね♪    恋愛は、ドキドキ・キュンキュンする方が良いの♪
明里!!
何かあるの?
今、僕は冷静な判断が出来ないので黙っていてください!!
    悠にズバッとその件については切り捨てられた。

    それに対して明里は面白くない。

ちぇっ……つまらないの。そんなんだから悠は未だに彼女が出来ないのよ
あの……明里?    人の話最後まで聞いてませんよね?    僕は黙っててください、と言ったはずですよ……。彼女が出来ないのではなくて僕は今はまだ作らないだけですよ……
悠のバカ
何故、僕があなたにバカと言われなきゃならないんですか?    とにかくあそこに入られた以上は圭と歌音さんを追跡できませんね……。ここまでにしましょうか……
    完全に不貞腐れた明里だが、パッといい考えが頭の中に浮かんだ。

    それを早速悠に伝えることにする。

あたし、いい考えが浮かんだわ!!
何ですか?    僕からしたら嫌な予感しかしませんが……
あのホテルの中に入っちゃいましょ!!
ま……マジで言っているんですか?
    驚きのあまり悠が一瞬口ごもる。あっけらかんとしている明里の考えの中には、若干の興味と好奇心を感じる。

    しかし、悠は「無」だ。何も考えることが出来ない。本当の事を言えば、あのホテルは、卑猥な予感しかしてこない。

    明里は、いつからこんなにも変態になったのだろうか……、と悠が考えていると明里が悠の手首を掴んだ。

    その行動に悠は焦りを感じとる。

じゃあ、レッツゴー♪
ちょっ……ちょっと明里!!    僕の話を聞いてください!!    僕は嫌ですよ!!    誰かにこのような状態を見られたらとんでもない事になります!!
何?    週刊誌に載ることぐらいの覚悟をしないと恋愛なんて出来ないのよ!!    悠、覚悟を決めなさい!!
嫌ですよ!!    ヘルプです!!
    明里の腕力に敵わなかった悠は、如何わしい感じのホテルに引き摺られるように入っていったのであった。
    悠が気がついたときには、五階の八号室にいた。キングサイズのベッドの縁に座り、室内を物珍しそうに見回した。

    ベッドの上には、「大人のおもちゃ」と称されるものがいくつも置かれており、明里はそれを手に取り、まじまじと見つめていた。

一面モースピンクですね……。何か違和感しか感じないのですが……。それにこの部屋の隣に圭と歌音さんがいるのでしょうか?
ねえねえ、悠。これ見て見て!!
何ですか?    僕は何もしませんよ?
これ使って大事な所擦ると気持ちいいんだって♪    悠、使ってみてよ♪
何ですか、これ?
    明里が変に笑顔の時は、大抵とんでもない爆弾発言をする前触れだ。

    悠はその事を知っている。今の明里はとても危険人物だ。悠が明里に持たされた赤い円柱の物体を手渡しされ、持たされてから嫌な予感しかしていない。

    明里は、笑顔で円柱の物体の名前を言うため口を開いた。

何ってTENGAしかないでしょ♪    これだから深層のお坊っちゃまは……
僕に実験台になれ、って事で捉えますけど良いですか?
そういうこと♪    そういうことだから、ヤらせてもらうわね!!
    「ヤらせてもらう」という言葉を聞いた悠は、その場から逃げ出そうとベッドから腰を上げた。

    しかし、明里の飛びつきの勢いに負けた悠は、そのまま明里に押し倒され、ベッドに逆戻りすることになってしまった。

あ……明里!!    そこ退きなさい!!    何故、馬乗り状態なんですか!?
何故って私たち今からヤるんだから♪
い……嫌ですよ!!    ダメです!!    僕たちまだ高校生なんですよ!!    高校生がこんな大人のやるような事をやるなんて許されるはずがないんです!!
    明里にあちらこちら触られ、悠も尋常ではない。身体をくねらせ、脱出を試みるも、明里の力が強すぎて逃げ出すことは不可能に近い。

    その時だった。隣の部屋から大きな物音が聞こえ、明里の力が弱まった。それを見た悠は明里を逆に押し倒した。

いい加減にしてくださいよ……。さっきから聞いていたら戯れ言ばかり……僕だって怒りますよ!!
やっと本気になってくれるのね……
本気にはなりません!!    それは、まだ先の話です!!
じゃあ、キスしてよ!!
何故ここでキスの要求をしてくるんですか!!    だから、明里にはまだ早いんですよ!!
どうしてダメなの……
それは、まだ僕と明里の愛が足りないんです。足りない状態でキスされてあなたは嬉しいですか?
あたしは、悠からのキスなら何でも嬉しいのよ!!
それはそうですか。明里の頭の中には恋愛の事しか入っていないのですね。だから、毎回テストでは学年二位なんですね。これで真相が色々と分かりましたよ
    学年二位、ということに明里は触れられたくなかったみたいだ。
隙あり!!
えっ?
    悠の一瞬の隙を見たのか明里は、悠の頬にキスを落とした。

    一瞬過ぎて分からない位だったが、それは悠にとってはダイレクトな精神攻撃になったのかしばらく悶絶することになる。

    それを見た明里は、不機嫌な表情から一気に上機嫌に戻ったのはほかでもない。

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