黄昏のクレイドリア

9-3

エピソードの総文字数=1,042文字

…………、
何、とは?
少ない魔力……とは、
どういう意味ですの?
どういうつもりか聞きたいのは
こっちの方なんだが……まぁいい

……この男は、大した
魔力の器を持っていないだろう?
だから行使できる魔力も少なくなる。
それでもあえて魔術を使用し、
一撃にかける様は、同業として
感心するものがあった、という
意味だったんだが…………。
…………。
は………………
破廉恥ですッッ!!
は?
カノン!!あぁもう
お菓子を食べてる
場合じゃないですわよ!
あなた何でこんな大事なことを
真っ先に私に
報告してくれなかったのです!?
へっ?!
いや、今はあたしは
話に入らなくて良いかと思って……
何かコイツ変なこと言ってた?
言いましたよ!

パシュアの魔力の器が
小さいなんて……どうして
そんなことがわかるのですか?!
あれ、そこそこ腕のある
魔術師って、そういうのも
わかるんじゃなかったっけ
それは魔力の"質"ですわ!
個人の魔力の"器"まで、
わかるわけないでしょう!
お嬢……、カノンのあれは
アーティファクトだから……、
魔術の知識は…………
パーだっただろ
あーんもう、
そうでしたわ!
悪かったわね
いいですか!
私の言いたい事はこうです!
私達はスープを口にした時、
それがトマトスープなのか、
芋のポタージュなのかを自然と判断します。

さらには、舌が鋭い方なら
同じトマトスープでも、
その味の深みはコク、酸味もろもろを
吟味して味わい、その違いを知るでしょう。

これが普通の魔術師ですわ。
なんだかお腹の空く例えね
腹減ってきたな
ですが……彼は
スープを口にしただけで、
そのスープを作った器具、
あまつさえその大きさまで、
わかる、と言っているワケです!

これを聞いてどう思いますか、
カノン?!
うーん、確かに
そう言われると
普通じゃないかもね。
…………。
さらに言うなら…………、
魔力の器というものは、
魔術の行使に最も重要でありながら、
その大きさは才能や血で
決まってしまう……
とてもデリケートな部分ですの。
ですから、ようするに、
彼はパシュアのものの大きさだとか、
カノンのパンツの色が何色だとかが
わかってしまうと
言ってるようなもの――――
落ち着けお嬢!
落ち着いて
フィリカ!!
…………。
フィリカをなだめる2人を横目に、
セシルは茶菓子を頬張りながら
イーリアスへ視線を向けた。
……なんか
変態扱いされてますけど
イーリアスサン
…………。
……以降は、迂闊に
口に出さないようにする。
魔術師も大変だなー
額に手を当てて苦悩している
様子のイーリアスを
他人事のように眺めながら、
また次の茶菓子へと手をのばした。

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