マジカルミュージック

10月定例コンサート③

エピソードの総文字数=2,198文字

    圭は、周りに集まったギャラリーと歌音を見つめた。これは、ダメなやつかもしれない。歌音との関係性がバレるとスキャンダルになりかねない。理由は簡単だ。圭は、世界的に名を知られているプロのトランペット奏者だからだ。

    歌音も名前を知られている学生指揮者であり、ピアノもプロ並みに出来る有名人だ。そんな二人が付き合っていると知られるとすぐに週刊文春みたいなスキャンダル雑誌に顔写真にモザイクをかけられたものがすぐに出回るにちがいない。きっとそうにちがいない!!

    圭は、焦った。急いで楽器ケースにトランペットを片付け、楽器ケースを肩に背負った。

2017/10/01 10:18
歌音……
2017/10/01 10:26
何?
2017/10/01 10:42
逃げるぞ!!
2017/10/01 10:55
えぇー!!    どうやって逃げるのよ!!    完全に囲まれているのに
2017/10/01 10:55
こうするんだよ
2017/10/01 10:56
    圭が空に向かって指を指す。何もない綺麗に晴れ渡った秋空に向かって……。
2017/10/01 10:57
あっ!!    UFO発見!!
2017/10/01 10:57
そんなものいないから!!
2017/10/01 10:59
    しかし、人々の視線はUFO探しの方に移ったのか逃げ道が出来たのだ。

    圭の言うことの発信力がどれだけ凄いものか歌音はこの時理解できたのだ。

    圭は歌音の手をとり、

2017/10/01 11:00
とりあえず撤退するぞ!!
2017/10/01 11:03
うん!!    早く撤退しましょう!!
2017/10/01 11:03
    その場から逃げるように走り去ったのであった。もちろん、ギャラリーたちは追いかけてくることは無かった。

    しばらく走って圭と歌音は、学園に戻ってきた。ここに入ってしまえば、誰も追いかけてくることはないだろう。

    音楽堂から離れた学園の中庭に圭は寝転がった。ここまで来れば誰も追いかけては来ない。二人は安心しきっていた。

2017/10/01 11:11
ふぅ~……もう動けない……
2017/10/01 11:25
確かに広瀬川からここまで走ったから……ちょっとの間は無理かな……
2017/10/01 11:26
……何故、歌音があそこにいたんだ?
2017/10/01 11:27
息抜きよ。息抜きしておかないと緊張で本番死んじゃうわ
2017/10/01 11:27
    歌音は大きなため息をついた。なかなかこれは疲れる。圭も息を整えるのに時間をかけている。何ならこんな長距離……電車を使えば良かった、と思う。しかし、もう手遅れだ。勾当台公園からここまではけっこうな距離があるし、上り坂がいくつかある。何も考えていないうちにここまで戻ってきていたのだ。
2017/10/01 11:28
走る距離じゃなかった……。柏原先生に迎えに来てもらえば良かったかも……
2017/10/01 12:49
確かにお願いすれば良かったかも……
2017/10/01 12:51
    何故か一成の存在を忘れてしまうのはどうしてなんだろうか。これは、もしかして歌音は誰かに恋をしているのかもしれない。一成よりも好きな誰かが出来たのかもしれない。
2017/10/01 12:51
    圭は、晴れ渡った秋空を見つめる。空にはひつじ雲と心地よい日差しがさしており、少し眩しさに目眩ましをされている。

    明日からは十一月だ。まだ日差しは、夏の名残があり、少し眩しい。校庭の銀杏や紅葉も色づき始めているのが分かる。

    そして、もうすぐ雪の季節になるんだと思うと寂しく思う。

どうした?
2017/10/01 13:31
もうすぐ冬が来るんだなぁ……と思うと寂しくなっちゃった。冬は、何もないから私は嫌いなの。あの事件も思い出しちゃうから……
2017/10/01 13:37
もうそんな季節なんだな……。俺もあの日の事は思い出したくない
2017/10/01 13:39
うん……。一二月二四日は忘れてはいけない。三月一一日も忘れてはいけない……。私たちの住むこの世界を脅かす事件と災害であった以上は……
2017/10/01 14:14
あぁ。あの事件でたくさんの人が死んだんだ。だから、忘れてはいけないだろう
2017/10/01 14:16
    圭は、寂しそうな表情を浮かべ、空を見上げた。風が強くなってきたのか雲の流れが早くなってきた。

    これは、天候が悪化しそうだ。そんな気がした。歌音も空を見上げ、流れていく雲を追いかけた。

2017/10/01 14:17
天気が悪化しそうだ
2017/10/01 14:23
そうね……。胸がザワザワするわ。今夜の定例コンサート……何かが起きるわね……多分
2017/10/01 14:24
その時は、俺が守ってやるさ♪
2017/10/01 14:25
圭くんは、プレイヤーでしょ?    今は、そっちを気にしてほしいな。だって、圭くんは「マナティー・リリック序曲」と「三日月の舞」でソロ持ってるでしょ?    練習しなきゃいけないよ?
2017/10/01 14:26
バレてたか。残り時間は必死に練習するよ
2017/10/01 14:42
うん……今日の本番のためにお願いね。失敗は許されないから……
2017/10/01 14:44
分かってる……。失敗はしない!!    歌音のためにも皆の為にも……。俺は、皆を救う英雄になるんだから……
2017/10/01 14:45
    圭は、空に向かって拳を突き出した。このまま、幸せな時間が流れてほしい……と歌音は心の奥底で思った。この幸せな時間が歌音にとっては心地のよい時間なんだと……。戦争もない争いもない日常を取り戻すんだ……と誓った。
2017/10/01 14:46
そろそろ戻ろうか……
2017/10/01 15:09
そうだね……皆、心配しちゃうね
2017/10/01 15:10
俺は、ずっと歌音の事を思い続けているよ。だから、俺の事は心配しないで。歌音が、指揮を振りやすくするように俺は音楽を奏でる。そして、いつか歌音に本当の気持ちを伝える!!    だから、覚悟していてくれよ
2017/10/01 15:11
う……うん。いつか本当の事、聞かせてよね
2017/10/01 15:13
ほら、皆のところに帰ろう!!
2017/10/01 15:15
    圭は、歌音に手を差しのべる。歌音は、圭の手をとり、
2017/10/01 15:15
うん!!    今日のコンサート成功させようね♪
2017/10/01 15:16
もちろんだ!!
2017/10/01 15:16
    歌音と圭は、二人で皆の元に戻る。まず、戻ったら皆に謝っておこう。心配させたのだから……。

    そして、この日の本番を迎えるのであった。コンサートは無事に終演を迎えることが出来るのか……。

    この腐った世界で歌音たちは音楽を奏でる。

2017/10/01 15:17

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