黄昏のクレイドリア

10-4

エピソードの総文字数=702文字

<リーン邸の廊下にて>
…………。
あら!
御機嫌よう、吸血鬼さん。
……吸血鬼じゃない、
イーリアスだ。
ふふ、失礼しました。

理由はどうあれ……
ああして吸血している姿を見てしまうと、
どうしても吸血鬼を思い起こさずには
いられなくて。
見ていたのか
だって、
私のお庭ですもの!

……そうでなくても、
敢えて人目に着くところで
魔力供給を行う事で、
正当性を主張したつもりでしょう?

自分は魔力のみが目的で、
後ろめたいことでは一切ないと。
…………。
全く――――
!!
フィリカの右手が、音を立てて
イーリアスの頬へ閃く。
静かな廊下を暫く残響が支配した後、
フィリカが口を開いた。
随分と甘く、それでいて
独りよがりな子ですこと。
…………。
私に対する主張としては
間違っていませんが……、
あの場所で魔力供給を
行ったのは間違いですわ。
カノンから聞いたのか、
貴方の能力で判断したのかは
わかりませんが……
確かに私の屋敷一帯は、
結界魔術によって魔力を遮断しています。

一筋縄ではこの屋敷を
探知できないようになっていますわ。
しかし、だからといって……、
刺客が放たれている
かもしれない状況下で、
カノンの魔力の価値を
露見させるような行為は
愚行に等しいでしょう。

違いませんか?
……その通りだ。
わかっているのなら
よいのです!
それに……
貴方が心配せずとも、
変な気を起こそうものなら
例え契約で縛られていようが……
カノンが自ら斬り伏せてくれますわ。
……そういう、子なんです。
……そのとおりかもしれないな。
…………吸血鬼さん。
私の平手を甘んじて受けた、
その意気は褒めましょう。
ですから……
それが偽りで無いと、
これからの行動で示して……
カノンを守ってくださいね。
……あぁ。
当然だ。

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