黄昏のクレイドリア

13-1

エピソードの総文字数=738文字

…………。
………ん、
う………。
各々意識が覚醒し、
恐る恐る目を開けると、
落とし穴が塞がれ、
元いた"何もない遺跡"の広間が
カノン達の視界に映っていた。
おぉ……!
ひゅー、やったなカノン!
いや~、
地上の光が目に染みる……
…って、雨降ってるじゃねーか!
よーやっと服が
乾かせると思ったのによ――
――――!!
外を見るべく遺跡の出口付近へ
立っていたセシルが、
右腕を抑えながら半歩後退した。

セシル?
どうしたの
!!
不審に思い、カノンは
セシルを注視すると、
抑えた腕からは血が流れていた。
……どうやら、
敵襲みたいだぜ
くっ!
剣の柄に手をかけながら
セシルの下へ駆けつけ、
庇う様に入口側へ立ち、外を見やる。
鋭く気を張り巡らせるカノンとは
対照的に、外は雨音をこぼすばかりだった。
(……、雨のせいで
 位置がわからない……)

 セシル、傷の具合は
…………ぁー、
!!
……セシル、
もしかして――――
何時の間にか入口側の
壁に寄りかかるように座していた、
セシルの震える声と身震いを見てとると、
一つの事実がカノンの脳裏に浮かび、
肝を冷やした。
(毒か……!)

 待ってて、今すぐ毒を――
――――、
カノンがセシルの毒を吸い出そうと
身を屈めると、彼はゆっくりと
制止するように右手をあげた。
………敵から
目をそらすなってこと?
――、
…………。
小さく頷いたセシルをよそに、
もともと彼のの左腕に巻かれていた
包帯を解くと、手早く傷口の上部に
きつく縛り、カノンは再び立ち上がった。
(……すぐにこっちに
 攻めてこない事を考えると、
 敵は略奪が目的の、賊の類じゃない……

 つまり、あたしかイーリアスを
 狙った暗殺者が妥当な線か。)
(早くセシルの毒を
 なんとかしないと
 事態は悪化する一方……、

 あと――――)
(イーリアスは
 何処に行ったのよ……!)

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