怠惰の神とフィクションブック

第1話 神ってるとかいないとか

エピソードの総文字数=953文字

かみさまー、また役所から手紙が届いてるっすよー。

やぶから棒になんだね天使ピピル。
私は今とても忙しいのだ。

いや忙しいって、あんた。
プラモ作ってるだけじゃないっすか。

君の目は節穴か、さもなくばバームクーヘンの穴だ。
よく見たまえこの雄々しきツノを。これは隊長機だ。
そこいらの量産機と同じにしてもらっては困る。

いくら力説されても違いなんてわからないっすよ……。
それじゃあ手紙はいつもどおり私の方で処分しておくっす。

あいや待たれいっ! まあ待ちたまえよ天使ピピル。
これも一興というものだ、たまには目を通してやろうではないか。

……いいっすよ。忙しいんでしょ?
いつもみたいにシュレッダーにかけておくっす。

おいおいおいおい、私だって末席とはいえ神だ。
その封筒がヤバイことぐらいはわかるぞ。

いやいや、ほんとにいいっすよ。
ちょっ、放してほしいっす。やぶれちゃうっすよ!

いいや放すもんか! 君これ封筒真っ赤じゃないか!
役所から来る赤い封筒はヤバイってお母さんも言ってたぞ!
私だって神活保護を打ち切られては困るのだ!
食らえ神デコピンっ!

あだっ!

はっはーっ!
天使の分際で神の力に抗えるものか、このマヌケがっ!
えーと、なになに。

わーっ! 見ちゃダメっす!

怠惰の神・ネヴェス 様

貴方の所有する世界は現在、
人類滅亡の危機に瀕しており神活水準に達しておりません。

なお次回監査までに改善が見られない場合、
神としての資格を喪失する場合があります。

…………。

…………。

そーいやあったなあ、世界。
ずっとほったらかしにしてたけど。

そっすね。

で、監査ってのはいつ?

来週っすね。

ピピルはこのこと、いつから知ってたの?

2年ぐらい前っすね。

よしその薄汚い羽根をむしりとってやるからそこに座りたまえ。

ややや! 待ってほしいっす!
これには聞くも涙、語るも涙の深いワケがあるっす!

よかろう、私も神だ。
君の話とやらを聞いてやろうじゃないか。

かみさまがトチったら、神の席ひとつ空くじゃないっすか。
そしたら天使の私にもワンチャンあるかなって。

お前は正直ないい子だねピピル、まさに天使の鑑だ。
アゴがはずれるまでビンタしてもきっと許してくれるんだろうね。

勘弁してほしいっす!

こうして怠惰の神ネヴェスと天使ピピルは
世界改善に向けた第一歩を踏み出したのであった。

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