いつかのLip service

11:ひんぬーなんていう次元ではなく

エピソードの総文字数=1,068文字

面倒ごとには干渉しない、首をつっこまない、もちろん面倒だからだ。

大体、俺が助けに入ったところでどうにかなるものでもない。


目の前には綺麗な女性、とよくいるチンピラヤンキー。絡まれているし、ナンパだろうな。

ここで俺が取るべき行動

1、助ける

2、見なかったふり


さて、どうするか……

そんなのはもちろん、2だ。

俺はくるりと踵を返し、歩きだ――

お……お兄さんっ!!!!
…………
お兄さん?なに?知り合い?
た、助けてっ
……はあ、声をかける相手を間違っていますよ、こういうのは俺の専門外なんだが……まきこまれてしまったものは仕方ないな
なにをぶつぶつ言ってンノォ~?
……あの、失礼ですがチャック、開いてますよ
え、ええええええええっ!?
今だっ、走りますよっ!
えっ……うん
って、開いてないじゃねーかァ!
そうナンパ男は叫んでいるが、俺たちは一瞬の隙をついて逃げることに成功した。

残念ながらもうその場にいない。

その遠くなっていく声を聞きながら、さらに遠くへと逃げていく。いつの間にか自然に手を繋ぎながら――

はあ……はあ……久しぶりに走ったから、息が……はあっ
貧弱ねえ
うっ、うるさいですよっ、なんで息切れてないんですか
これくらいは軽い運動だし
そ、そうですか
助けられてなんだこの態度は。貶されてるし。

助けられて当然とでも思っているのか。ムッとなる。

逃げられたからもういいですよね? じゃあ、俺はこれで
待って
……なんですか?
今日はなにか予定あるの?
あそこで連れと約束してたんですが……今更戻るのもさっきの男と出くわすかもしれないし、もう帰ろうかと
今日はさっきの男がいた場所でみずきの奴と約束をしていた。

映画を見に行く予定だった。

だがもうめんどくさい。そもそも居なかったあいつのせいだ。

メールでも入れて帰ってやろう。俺はスマホを取り出し、操作を始める。

まって
……なんですか
わたしと遊びましょっ!
……は?
だから、わたしとこれから遊ぼって言ったの
何故ですか
ん~~……助けてくれたお兄さんがかっこよくって、好きになっちゃったから♡って理由だけじゃだめ?
……っ! いいでしょう、暇ですし
チョロ……
え? なにか言いましたか?
ううん、なんでも~~ ほら、行こ、映画館だよね?
え、はい……って、うわっ! なにしてるんですか
腕組まれるの嫌?
い……嫌じゃない、です
素直だな~ 
いきなり腕組んでくるとか距離の縮め方が尋常ではなく、女慣れしていない俺は戸惑ってしまう。


しかし、この人かわいいし美人だけど全く胸がないな……言わないけど

というか、映画行く予定だったこと言ったっけ。なんでわかったんだ。

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